コラム

新しい肺炎球菌ワクチン『キャップバックス®(PCV21)』

2025年11月28日

肺炎は、発熱・咳・痰など風邪に似た症状で始まりますが、高齢者では症状があいまいで、気づかないうちに重症化する危険性があります。日常でかかる肺炎の原因菌の第1位は肺炎球菌です。肺炎球菌は健康な方の喉にも潜んでいますが、免疫力が低下すると肺炎だけでなく、敗血症や髄膜炎といった重症感染症を引き起こします。持病のある方やご高齢の方は、ワクチンによる予防が非常に重要です。

 

肺炎球菌ワクチンに新しい選択肢が登場

2025年8月、新しい肺炎球菌ワクチン「キャップバックス®(PCV21)」の薬事承認を受けて、2025年9月30日に3つの専門学会(日本呼吸器学会・日本感染症学会・日本ワクチン学会)が従来から定期接種で使われてきたニューモバックス®NP(PPSV23)について「PPSV23接種後の再接種を原則として選択肢としない」という指針を発表しました。10月29日から新ワクチンの接種が開始されたことで、肺炎球菌ワクチンを取り巻く環境が大きく変わっています。

新ワクチン「キャップバックス®」の特徴

これまで広く使われてきた多糖体ワクチンであるニューモバックス®NP(PPSV23)は23種類の型に対応ですが、数年で抗体が減少するため5年おきに再接種が必要でした。2025年10月29日から接種可能になったキャップバックス®(PCV21)は、肺炎球菌感染症に対して成人の侵襲性肺炎球菌感染症の約80%をカバーする21種類の肺炎球菌血清型に対応しています。さらに、免疫の「記憶」が残りやすい結合型ワクチンですので、原則1回の接種で追加接種が不要で長期的な免疫効果が期待されています。

このキャップバックス®(PCV21)が登場したことで、従来の「5年おきにPPSV23を繰り返し接種する」方針から、「より効果が持続するキャップバックス®を1回接種する」方針に変更され、キャップバックス®が推奨されるようになりました。

ニューモバックス®NPとキャップバックス®の比較

項目 ニューモバックス®NP
(PPSV23)
キャップバックス®
(PCV21)
ワクチンの種類 23価多糖体ワクチン 21価結合型ワクチン
カバーする血清型 23種類 21種類
(日本人の市中肺炎71.9%、
IPD 80.3%をカバー)
免疫の仕組み T細胞非依存性
(記憶免疫がつきにくい)
T細胞依存性
(免疫記憶を形成)
成人への接種回数 原則1回
(5年ごとの再接種は
現在推奨されていない)
原則1回
効果の持続 数年で抗体価が低下 長期的な効果が期待されるが
持続期間はまだ確立されていない
公費助成 65歳の定期接種対象者に
助成あり
現時点では自費のみ
当院での費用 公費助成による 14,000円(税込)

 

キャップバックス®接種を特におすすめする方

65歳以上の方
糖尿病、心疾患、腎臓病、肝疾患のある方
慢性呼吸器疾患(COPD、喘息など)のある方
免疫抑制剤やステロイドを使用中の方
喫煙習慣のある方
これらの条件に該当する方は、肺炎球菌感染症が重症化しやすいため、予防接種が特に重要です。すでにPPSV23(ニューモバックス®NP)を接種済みの方も、最終接種から1年以上経過していれば、キャップバックス®の追加接種により、より広範囲の予防効果が期待できます。

 

ご予約から接種まで

予約方法

完全予約制となっております。お電話または受付窓口でご予約ください。
ワクチンの入荷状況により、ご希望の日程に調整させていただく場合があります。

当日お持ちいただくもの

マイナ保険証(または資格確認書)
お薬手帳
過去のワクチン接種記録(お持ちの方)

まずは医師にご相談を

最適なワクチンや接種時期は、年齢・接種歴・持病によって異なります。ご自身に合った予防法を知るため、まずは当院にご相談ください。
予約や詳しい説明をご希望の方は、総合受付またはお電話でお問い合わせください。

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