口腔ケア

口腔ケアとは

口腔ケアとは、歯磨きやマウスウォッシュなどで口の中をきれいに保つ事だけでなく、身体の健康保持や口腔機能向上のためのリハビリ、口の中や口周りのマッサージ、飲み込む力を鍛えるトレーニングなど幅広い内容の事を言います。
歯や歯茎、舌、入れ歯を含む口の中の清掃は、虫歯や歯周病などの口腔トラブル予防だけでなく、健康的な日常生活を送るためにとても重要なことです。

口腔ケアとは

口腔ケアの効果

  • 肺炎の予防
  • 認知症進行の予防
  • 糖尿病・ガン等の予防
  • 転倒の予防
  • 口臭・虫歯の予防

肺炎の危険性

口の中には多くの細菌が繁殖しています。
それらが気管から肺に侵入することで誤嚥性肺炎に繋がる恐れがあります。

特に要介護高齢者は複数の病気をもっていることが多く、栄養状態もあまり良くない場合は、誤嚥性肺炎などの感染症は重篤化しやすいです。
また、口の中の細菌は、歯周炎だけでなく口の粘膜の炎症の原因になります。

これらの炎症は口から全身に波及し、発熱などを引き起こすため、低栄養や脱水に陥ったり、免疫機能や体力の低下を招いたり、血管など他の体の臓器を傷害したりします。
口は身体の一部であり、当然口の健康は身体の健康に伴っています。

肺炎の危険性

ケアの方法

ケア用品
  • 歯ブラシ
  • 歯間ブラシ
  • スポンジブラシ
  • 舌用ブラシ
  • 義歯用ブラシ
  • ガーグルベース
  • 口腔用ウェットティッシュ

うがい

はじめにうがいをして口腔内の食べかすや汚れを落としていきます。
また口腔ケアが終わった後にもう一度うがいをして、歯磨きなどで落ちた汚れが口の中に残らないようにしましょう。
うがいをする際は、唇をしっかり閉じて、頬を膨らませながら勢いよく行います。
また、水を誤って飲んでしまわないように安全な姿勢で行いましょう。

うがい

歯磨き

歯ブラシは鉛筆を持つように持ちます。食べかすや歯垢がたまりやすい歯と歯茎の間などは注意してしっかり磨き、唾液がたまったら定期的に拭き取ったり、吐き出していきましょう。
歯ブラシは力を入れずにやさしく磨いていきます。

歯磨き

舌の掃除

舌専用のブラシを使用していきます。
奥から手前にやさしく動かしていきましょう。
乾燥している場合は湿らせてから行うように心がけます。

舌の掃除

口腔清拭(こうくうせいしき)

口腔清拭は体が起こせない方や、水を口に含めない方、歯ブラシで口腔を傷つけてしまう恐れがある方などの場合に使用します。口腔内に使えるスポンジ、ウェットティッシュやガーゼなどの柔らかいものを湿らせた状態で、口の中の汚れや水分などを拭き取ります。

口腔清拭(こうくうせいしき)

義歯の掃除

義歯を扱うとき

  • 流水で汚れなどを落とす
  • 必ず保存容器で水に浸して保管する
  • 歯ブラシや歯磨き剤では磨いてはならない
  • 落とさないように注意する

上記の4点に注意してケアをしていきましょう。

総義歯の場合は、義歯専用ブラシで汚れを洗い流し、見えない汚れは洗浄剤につけて除菌するようにしましょう。
部分義歯の場合は、総義歯の方法に加えて、かけ金部分とクラスプを入念に磨いていきます。
特に汚れがつきやすい部分はアタッチメントの部分になります。

義歯の掃除

唾液腺マッサージ

口の中にある耳下腺、顎下腺、舌下腺は唾液の出やすいポイントです。
高齢者は唾液の量が減りやすく、口の中は乾燥しやすくなっています。
その為、唾液を促すために唾液腺を刺激することで口の中の自浄作用が働くので口臭予防やコミュニケーションが取りやすくなるなど沢山の利点があります。
唾液腺マッサージを食事前に行う事で、むせたり、噛みにくい状況の予防にも繋がります。

唾液腺マッサージはやさしく行いましょう。

唾液腺マッサージ