泌尿器科

診療スケジュール

午前
午後 土肥洋一郎

※都合により臨時休診とさせていただく場合がございます。外来のご案内から、受診時間をご確認ください。

恥ずかしいと先送りにして悪化させてしまわないために

泌尿器科の受診をためらう原因として「陰部の視診・触診が不安」と感じる方がいらっしゃいます。実は泌尿器科の初診で陰部の視診・触診を行うことはほぼありません。ほとんどの泌尿器科疾患は問診と尿検査、エコー検査などで診断できて治療も可能です。必要な検査内容も事前にご説明致しますので、お気軽にご相談ください。

過活動膀胱で40代以上の8人に1人が悩んでいます

過活動膀胱(かかつどうぼうこう)とは?

過活動膀胱は尿意切迫感(急に我慢ができない尿意が起こる)、頻尿、夜間頻尿の症状を起こす病気です。ひどくなると我慢が出来なくなってもらしてしまう(切迫性尿失禁)こともあります。2002年の調査では40歳以上の8人に1人が過活動膀胱の症状があり、加齢に伴い増加することがわかっています。

過活動膀胱の原因

加齢による神経や筋肉の変化によるものが多いですが、男性では前立腺肥大症に伴うもの、女性では出産や膀胱、子宮などの骨盤臓器の脱出によるものもあります。
また、脳梗塞、脳出血などの脳血管障害、パーキンソン病などの神経疾患に伴うものもあります。

過活動膀胱の診断

過活動膀胱は自覚症状が一番重要ですので、過活動膀胱症状スコア(OABSS)を記入していただきます。
また、他の病気がないかをみるために尿検査、エコー検査を行います。男性は原因が前立腺肥大症であることが多いことから、前立腺腫瘍マーカー(PSA)検査も行います。

排尿チェックシート(男女兼用)排尿チェックシート(男性)

過活動膀胱の治療

過活動膀胱は内服薬による治療が主ですが、この中で切迫性尿失禁の症状を伴う人は、約50%と言われています。
比較的症状の軽い方は骨盤底筋体操や膀胱訓練などのトレーニングで約7割の方に効果が期待できます。

骨盤底筋訓練(体操)

骨盤底筋が衰えると尿道を締める力が弱まり、尿漏れの原因になります。骨盤底筋訓練は骨盤底筋を鍛えて尿もれを改善させる訓練です。特に女性において有用と言われています。

膀胱訓練

膀胱訓練は尿意があってもできるだけ我慢して膀胱の容量を増加させる訓練です。具体的には、短時間から始めて徐々に15~60分単位で排尿間隔を伸ばし、最終的には2~3時間の排尿間隔になるように訓練します。

前立腺肥大症が過活動膀胱の原因になっていることも

男性では過活動膀胱の原因が前立腺肥大症であることが多く、その場合は前立腺肥大症の治療を行います。
前立腺とは男性にしかない臓器で精液の一部である前立腺液を作っています。位置は膀胱の下で、尿道を取り囲むようにあります。
正常はクルミ程度の大きさですが、50歳を過ぎると大きくなり(前立腺肥大症)、様々な排尿の症状が出現します。

前立腺肥大症の症状

夜間トイレに起きる回数が多くなる(夜間頻尿)や尿の勢いが弱い、時間がかかる、おしっこに行きたくなるとが我慢できない(尿意切迫感)、おしっこがもれる(尿失禁)、下腹部の不快や残尿感等の症状が出現し、放置しておくとおしっこが急に出なくなる(尿閉)をきたすこともあります。

前立腺肥大症の検査

まずは自覚症状を調べる国際前立腺症状スコア(IPSS)を記入していただき、尿検査と超音波で前立腺の大きさや残尿の有無、尿流測定という器械のついたトイレで尿の勢いをチェックします。また、前立腺がんとの鑑別のために前立腺腫瘍マーカー(PSA)を採血で測定します。

前立腺肥大症の治療

まずは内服薬を処方して自覚症状や残尿があれば残尿量の改善があるかをみます。尿閉や残尿量が多い重症の前立腺肥大、内服しても自覚症状が改善しないときは手術(お腹を切らずに行う経尿道手術)をすることもあります。

こんなお悩み、症状は泌尿器科への受診のサイン

症状(悩み)から疑われる疾患

泌尿器科の疾患は多様であり、同じ病気でも症状のでかたは様々です。一つの症状から様々な病気が隠れている可能性があります。
あなたの感じられている症状(悩み)を確認してみましょう。

 

症状 尿に血が混ざる
疾患

・尿路感染症
(膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎など)

・尿路結石症
(腎結石、尿管結石、膀胱結石など)

・尿路上皮腫瘍
(膀胱がん、腎盂尿管がんなど)

・腎腫瘍(腎がんなど)etc.

症状 尿が近くなった
疾患

・過活動膀胱

・前立腺疾患
(前立腺肥大症、前立腺がんなど)

・膀胱疾患
(神経因性膀胱、膀胱がんなど)

・尿路結石症
(腎結石、尿管結石、膀胱結石など)
etc.

症状 腰や脇腹、下腹部が痛い
疾患

・尿路結石症
(腎結石、尿管結石、膀胱結石など)

・腎腫瘍(腎がんなど)

・腎梗塞 etc.

症状 尿の勢いが弱い
疾患

・前立腺疾患
(前立腺肥大症、前立腺がんなど)

・膀胱疾患
(神経因性膀胱、膀胱がんなど)

・尿路結石症
(腎結石、尿管結石、膀胱結石など)

・尿道狭窄

・尿道腫瘍 etc.

症状 尿潜血陽性、PSA高値
疾患

・前立腺がん

・膀胱がん

・腎がん

・精巣がん

・尿管がん

・陰茎がん etc.

症状 勃起しなくなった
疾患

・勃起不全、勃起障害
(ED:Erectile Dysfunction) etc.

症状 尿が漏れることがある
疾患

・前立腺疾患
(前立腺肥大症、前立腺がんなど)

・膀胱疾患
(神経因性膀胱、膀胱がんなど)

・腹圧性尿失禁

・尿路結石症
(腎結石、尿管結石、膀胱結石など)
etc.

症状 陰嚢内(金玉袋)が腫れた
疾患

・精巣腫瘍

・陰嚢水腫

・精液瘤

・精巣炎

・精巣上体炎

・精巣捻転 etc.

症状 排尿する時に痛い、膿がでる
疾患

・尿道炎

・性感染症

・膀胱炎 etc.

 

気になる症状があったら、気軽に泌尿器科へ受診しましょう

男女共に尿について話すのは何となく恥ずかしさがあるため、泌尿器科への受診は我慢してしまうケースが後をたちません。

しかしながら、尿のトラブルは重大な重い病気の前兆でもあります。健康診断、人間ドックで異常を指摘された場合にはもちろんですが、普段から気になる症状(悩み)がありましたら、気軽に泌尿器科へ受診しましょう。

 

 

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