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西山典子副院長が健康新聞4月号の取材を受けました!

2024年04月08日

健康新聞4月号よりMIRAI病院の定期連載が始まりました!

定期連載のタイトルは“女性のためのMEDICAL NOTE(メディカルノート)”女性がかかりやすい疾患や健康トラブルについて、お話させていただきます。第1回目は慢性便秘症。この機会に女性に便秘が多い原因から、その予防策について理解を深めましょう。

第1回 慢性便秘症 〜女性のためのMEDICAL NOTE〜
医療法人 西山記念会 MIRAI病院 西山 典子副院長

 

黄体ホルモン分泌などが影響
食物繊維や水分が改善の鍵に

 便秘症は、高齢者や女性の多く、が日常的に悩む身近な病気です。「排便が3日以上出ない」「おなかの張りを感じる」「便が硬い」などといった場合は、慢性便秘症かもしれません。

 慢性便秘症の原因は多岐にわたりますが大きく分けて、腸の病気や腫瘍や炎症を端とする「器質性便秘」と、大腸や直腸、肛門機能の低下による「機能性便秘」のニタイプあり、そのほとんどが機能性便秘に該当します。

女性に便秘が多い原因には
①女性ホルモンの影響 ②筋力の低下 ③無理なダイエット ④精神的な理由
―の四つが挙げられます。

 ①は黄体ホルモン(プロゲステロン)が月経や妊娠期に多く分泌されます。この働きによって腸のぜん動運動が抑制され、さらに水分、塩分の吸収が促進されて便が硬くなりやすくなります。②は、女性は男性に比べ、排便に必要な括約筋と腹筋の力が弱いため。③は食事量を減らすことは食物繊維や水分、脂肪分を減らすことになるため、ぜん動運動が弱くなり、便が硬く排出されにくくなります。④は子育てや介護などの生活の負担率が高いこと、他人に言いにくいなどの羞恥心から、トイレを我慢することが多いことなどです。

 腸は“第2の脳”とも言われています。「たかが便秘」と思い、自己判断で放置してしまうと、QOL(生活の質)を下げるだけでなく、重症化すれば大腸がんや心疾患、慢性腎臓病のリスクが高まります。また認知症の進行の原因にもなり、健康寿命にも影響してきます。慢性的な便秘で悩んでいる方で40歳を過ぎて大腸内視鏡検査を受けていない場合は、一度消化器内科を受診して原因を特定することが大切です。

 日常生活で便秘予防に有効なのがひじきやおから、キウイなど食物繊維を多く合む食物を取る1日1・5~2リットルの水分を摂取する適度な運動を行う排便のリズムをつける1日15分、週5回の腹壁マッサージを行う―など。日頃から行うと効果的です。

 薬の使用については、消化器内科を受診し医師に相談し、処方薬は用法・容量を守って服用しましょう。市販の腸管刺激性下剤を常用すると便秘の優性化などの原因となるため注意が必要です。

 

 


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