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健康新聞 定期連載〜第3回 片頭痛〜

2024年06月03日

豊田康則副院長が健康新聞の取材を受けました

6月2日(日)発行の健康新聞で豊田康則副院長が取材を受けました。女性のためのメディカルノート第3回は片頭痛です。女性がかかりやすい疾患や健康トラブルはライフステージによって変化します。 病気になってからではなく、早期発見・予防につなげるためにも、女性特有の病気について理解を深めましょう。

第3回 片頭痛 〜女性のためのMEDICAL NOTE〜 
医療法人 西山記念会 MIRAI病院 豊田康則副院長

 

女性ホルモンの増減が影響
自分に合う薬や治療法を選択

頭痛といってもその種類は多く、三大頭痛と呼ばれる「片頭痛」 「緊張型頭痛」「群発頭痛」が全体の90%を占めており、中でも女性に多いとされるのが片頭痛です。片頭痛は脳の視床下部で神経活動が活発になると、片頭痛を起こすタンパク質 (CGRP) が放出され、自律神経や三叉(さんさ) 神経が刺激されて脳内の血管が拡張し、ズキンズキンとした拍動性の痛みが頭の片側や両側に生じます。

日本全国調査では、全年齢層での片頭痛の年間有病率は8.4%。男性は 3.6%に対し、女性は12.9%と男性に比べて有病率が高く、初潮を迎える12歳前後から割合が高くなっていき、 20代〜40代が好発年齢となっています。

片頭痛を引き起こす要因は、気候や気圧の変化、過度なストレス、睡眠不足、アルコールなどさまざまですが、女性の場合はエストロゲン(女性ホルモン)の増減に関係があると考えられており、 ①排卵・月経周期に伴うエストロゲンの低下②低用量のピルの服用③遺伝的要素④妊娠期などが挙げられます。このうち④については、片頭痛持ちの場合に発作が減少することがありますが、発作が起きた際はトリプタン系薬剤の使用を避け、アセトアミノフェンでコントロールします。

片頭痛治療の中心は薬物療法です。 発作が起きている時は、最も効果を発揮する急性期治療薬の「トリプタン」を使用します。発作の予防も片頭痛の治療では重要になってきます。トリプタンが使えず発作が頻回になってくると、次に起きる片頭痛を予防するために予防薬を導入します。予防薬には以前から使用されている内服薬に加え、 2021年から保険適用になった注射薬「CGRP関連抗体薬」を月に一度自己注射します。市販の鎮痛薬では頭痛がおさまらず生活に支障がある場合は、専門医が在籍する医療機関(当院含む)の受診をおすすめします。

また、▷から寝不足を避ける▷規則正しい食生活を送る▷ストレスを緩和するーといった生活習慣の改善は頭痛を避けるだけではなく、くも膜下出血や脳梗塞などの命に関わる病気の予防につながります。

 


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