自然免疫とは

免疫を担う細胞が体内をパトロールし、「自分とは違うもの」と判断した病原体やがん細胞などを、素早く無差別に攻撃するのが自然免疫の働きです。 第一段階の防衛ラインに位置し、異物侵入を感知して即座に反応することで、病原体の蔓延やがんの進行を防ぐ重要な役割を果たしています。

獲得免疫とは

獲得免疫とは生まれつき備わっている自然免疫とは異なり、病原体に接触した後に、病原体に対する最適な攻撃戦略を学習していきます。応答が開始するまでに数日かかるものの、こうして形成された免疫の記憶により、同じ病原体の再感染があった場合には、迅速かつ強力に病原体を排除できます。このように獲得免疫は自然免疫のみでは排除できない病原体に対して重要な役割を果たします。

主な免疫細胞とその働き

• 樹状細胞
体内に侵入した病原体を食べて分解し、病原体の特徴を記憶します。次にリンパ節へと移動し、病原体についての情報をヘルパーT細胞に伝えます。

• マクロファージ
体内に病原体が侵入すると最初に発見し、食べて分解します。さらに好中球など他の免疫細胞を感染部位に呼び寄せます。

• 好中球
白血球の45〜75%を占めます。マクロファージからの呼びかけに応じて速やかに集結し、病原体を食べて分解することで体内防御の主要な役割を果たします。

• NK（ナチュラルキラー）細胞
体内に異常がないかパトロールしていて、病原体やがん細胞を発見すると、単独でいち早く攻撃を仕掛けます。

• ヘルパーT細胞
マクロファージや樹状細胞から病原体の情報を受け取って、その特徴を理解し、B細胞やキラーT細胞などに適切な指示を出す免疫システムにおける重要や役割を担う指揮官的な存在です。

• キラーT細胞
樹状細胞から病原体の情報を受け取って、感染した細胞を特定。攻撃して死滅させます。また、ヘルパーT細胞からの指示によって、増殖と活性化が促されます。

• B細胞
ヘルパーT細胞からの指示を受け取り、形質細胞（B細胞が成熟したもの）へと進化します。この形質細胞は、特定の病原体に対する抗体を生成します。生成された抗体は、病原体と結合してその増殖を抑制します。

免疫力を高めるために、身近な食材であるショウガはおすすめです。ショウガに含まれる辛味成分（ジンゲロール、ショウガオール）には、身体の新陳代謝を活発化し、血行を良くする働きがあります。ショウガの香りや栄養は、皮の近くにもっとも多く含まれており、鮮度の良いショウガであれば皮付きのまま使用するのが良いでしょう。

• ジンゲロール（生のショウガに含まれる成分）
血行促進・殺菌作用、免疫力を高める成分、ガン抑制効果。
• ショウガオール
血行促進・発汗作用、体を温める作用。
• ジンゲロン
血管の拡張、代謝の促進、脂肪の燃焼作用。

感染症が流行しがちなこの季節、免疫力を高めることが大切です。
みなさまの健康管理に少しでもお役立ていただけましたら幸いです。